徳原真人のガーデニングABC
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ガーデニングABC

 第45回 真冬に有効な植物・冬らしい美しさ

クリスマスが終わると一挙に街中がお正月を迎える空気になっていきます。
ここ数年間は、風もなく穏やかなお正月が多かったように思います。これは、あくまでも関東地方の話です。 しかし、松の内が終わると2月の10日くらいまでのほぼ1カ月は、本当に寒さが厳しいですね。2009年は、暖冬との予報が出ていましたが、まったく予測は外れてしまったようですね。

東京、横浜の都市部ですと1月にはマーガレットが開花しています。私の所(北関東)ですとユリオプスデージー(マーガレットと同じキク科の植物)がクリスマスのころまでは屋外で咲いているのですが、やはりこの2月の厳しい時期を乗り越える事は大変で、芽先が霜でやられてしまいます。ジャノメエリカもユリオプスデージと同程度の耐寒性を持っているように思いますが、夜温がマイナス2〜3度くらいになると、枝先がダメージを受ける様です。

冬のガーデニング用の草花といえばハボタン、パンジー、ビオラ、ノースポール、耐寒性を持つプリムラ類やストックなどが定番でしょうか。ここ10年ぐらいは、ガーデンシクラメンと称されて市場や店先に出回ってくるものがありますが、私はユリオプスデージークラスの耐寒性グループとして扱い、我が家の庭では難しいようです。 上にあげた草花はドワーフ性のものがほとんどです。冬の低温だけでなく、乾寒風の影響を受けるため、関東以北や内陸の地域ではなかなか背丈のある植物を扱うのが難しいと思います。1月の最低気温がマイナス4度以上の地域に限って、もう少し背丈のある植物を選びながら、徳原流の植物選びを紹介します。


 

寒の時期・植物選びのポイント

ヤツデ
ヤツデ

紹介のポイントとしては、寒の時期に、少しでも暖かさと明るさを感じるもの、正月らしいもの、白やシルバーといった真冬らしいものなどを選んでみました。これらは、昔からよく庭で見かけたヤツデです。11月下旬ころから花を咲かせ始め、1月中旬くらいまで見られます。よく花を見ると、連結された宇宙ステーションの様でとても面白いですね。葉が、濃緑の天狗の団扇の様な形をしていて、緑と白のコントラストもとても美しいです。

クレマチス ウンナンエンシス
クレマチス ウンナンエンシス

仕事上、いろいろなカラフルな草花を見慣れているので、私はむしろ地味な花の方が美しいと感じます。白と緑を話題にしましたが、1〜3月上旬にかけて咲くクレマチス ウンナンエンシスも同様に同じような美しさを持っています。庭の一角に植えたいお薦めのツル植物です。花がベル型をしていて、白いのでクリスマスの植え込み材料としてもぴったりです。また、寒い時期に花期が長く、咲き終わりも花があまり汚くならない点もいいですね。

ナンテンの木
ナンテンの木

 私の育った家ですと、敷地の西北にナンテンの木がありまして、これは難を転じるというゴロ合わせから縁起植物としてよく昔は見かけたものです。今のガーデニングはこれらの植物を好んで植える人は少ないようですが、私は大好きです。

最近若い世代の人々に好まれるグレーやシルバーの箱型のデザイナーズ住宅などにはよく似合います。上記でヤツデとクレマチスとナンテンを頭の中で合成してください。機能的にデザインされたシンプルな住宅外観がマッチすると思いませんか。おまけにあまりメンテナンスがかからなく、植物自体が丈夫という事も扱いやすいです。


ヒイラギナンテン
ヒイラギナンテン

少し白や緑色だけでは寒々しいと感じる方向けに、黄色味がある植物としてはヒイラギナンテンのマホーニア チャリティーとロウバイそして黄斑葉のアオキやグミのギルドエッジがお薦めです。マホーニア チャリティーは12月上旬から2月上旬くらいまで2ヵ月間くらい楽しめます。かつ槍の様な花型が、花壇や植え込み地に方向性を持たせ、冬のフォーカルポイントになります。


葉が深緑の常緑で1年中青々しているので春から秋にかけては花壇の立派な背景となるので重宝です。ロウバイはロウを固めて作った様な花弁からロウバイと言われているようです。2月でも風のない日だまりに咲く花を見ていると気持ちがゆったりしてきて、もうすぐそこまで春が近付いているようなイメージを持ち少しハッピーになりますね。静岡県下田市の了仙寺近くに大木があったのを記憶しています。今でもいい香りとともに近所の人々を楽しませているんでしょうね。

アオキ
アオキ

花ではないのですが、黄斑葉のアオキもお薦めです。今の庭づくりはどうしても落葉樹中心の植栽が多いため、目線を止めたり奥行き感を出したりするのにうってつけの中低木です。
サザンカやタチカンツバキなどでも機能的には使えるんですが、チャドクガが発生するのでなかなか難しいですね。病虫害のきちんとした知識があればそれほど大変ではないのですが。私は、富士の峰などの白いタチカンツバキなどは、寒い時期花に品格がありとても好きです。

モクビャッコウ
モクビャッコウ

コンテナや花壇だと白といえば、シロタエギクを用いる方が多いと思いますが、私はモクビャッコウが好きですね。

アオキの背景に写っている白の葉ボタンも好きです。軒下などで、コンテナ用の材料としてはプリムラ類、初恋草(レシュノルティア)の黄色や橙色の花は使えます。

庭はやっぱり構図と背景が大切なんです。


ハボタン
ハボタン
ビオラ
ビオラ

いろいろと植物を列記しましたが、当然ビオラやハボタンなどは冬のガーデニング材料として欠かせないと思います。私は、「あれが良い、これが美しい」と生意気なことを言っていますが、実は紺屋の白袴と言いますか、自宅の庭はさっぱり手を入れていないのです。12月上旬は久しぶりに時間に余裕があったので、5年ぶりに自宅のガーデニングをしてみました。

徳原邸の庭
徳原邸の庭

前述のアオキ、マホーニアやハボタン、パンジー、そして寒さに強いエリカ(ダーレンシス、クリスマスパレード)などを植えてみました。あまり納得がいく仕上がりではありませんが、毎朝濃緑の葉に降りた霜を見るのがとても楽しみです。

読者のみなさん、2010年も心豊かな一年になります事を願っております。 2010年もどうぞよろしくお願い致します。



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株式会社アイ・アンド・プラス Bloom Field事業部