三輪先生のガーデニングABC
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  4. 第8回 赤くならないポインセチア

■第8回 「赤くならないポインセチア」

赤く色づいているのは、花の保護器官の苞葉
赤く色づいているのは、花の保護器官の苞葉。苞葉を十分に発達させるには、日の長さが12時間以下で、暖かいことが必要。
年末になると花屋さんの店先はシクラメンやポインセチアをはじめ、ベゴニア、シンビジウム、シャコバサボテンなど、華やかな季節の花であふれます。このごろは、一年中出まわっている花の種類も少なくありませんが、やはりこれらの花々は年の暮れ特有の雰囲気を醸し出してくれます。
毎年、この季節になると決まったように出くわす質問に、「去年買ったポインセチアを今年も咲かせたいと思って大事に育てたけれど、もうお店にはたくさん出回っているのに全然葉が赤くなってこない」というのがあります。無事に冬を越して、暖かくなってから植え替えて枝も整理し、夏の間肥料も与えて、大きな葉が青々と茂っているのに・・・、というのです。
このように尋ねる人は、ポインセチアは寒さがきらいなことを知っていて、秋涼しくなってからは家の中に取り込み、暖かく保つように心がけているのですが、実はこのことがひとつの落とし穴になっています。ポインセチアは日が短くなってくることで季節を感じて赤く色づきます。
問題は家の中でポインセチアがおかれている場所はたいてい夜は電灯の光で明るくなっていることです。これは植物にとっては日が長いことと同じなのです。
ここでちょっとお話ししておかなければなりませんが、ポインセチアの赤く(最近はほかの色の品種もたくさん出ていますが)色づいた葉のように見えるものは実は葉ではなく、苞葉といって花を保護したり昆虫を呼び寄せたりするための器官です。葉が紅葉するわけではないのです。あくまでも花の付属器官ですから、花ができないことには苞葉は作られません。では肝心の花はどこにあるかというと、色づいた苞葉が開ききったあと、そのつけ根の茎の先にかたまって現われてくる豆粒のようなものがそれです。ふつうの花とはまったく違った形をしていて、構造上は原始的なものと考えられています。ポインセチアはユーフォルビア(Euphorbia)属の1種ですが、この仲間の植物はどれも同じような花と目立つ苞葉をつけます。
ベンケイソウ科のカランコエ
年末に小鉢でたくさん出回るベンケイソウ科のカランコエ。やはり短日植物で、日が長い間は花をつけない。
本題に戻りましょう。ポインセチアはだんだん日が短くなって一日の明るい時間がだいたい12時間半ぐらいになると、「日が短くなった」と感じて花芽を作る準備に入ります。これは自然の状態では10月中ごろで、これから2ヶ月ほどかかって花芽が完成します。ですから、家庭でも照明の当たらないところにおいておけば、12月には赤い苞葉が見られることになるわけですが、こんどは温度が問題になってきます。
ポインセチアは原産地がメキシコの高地ですから、生育には20℃ぐらいの温度を必要とします。日本では花芽が作られて発達するころには、気温がどんどん下がってしまうのです。十分な温度を保てる温室などであれば、自然の時期でも苞葉を大きく発育させることができますが、家庭では何とか苞葉が開いては来るものの、温度不足で大きく広がることはできず、貧弱になってしまって期待はずれの結果しか得られません。
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株式会社アイ・アンド・プラス Bloom Field事業部