三輪先生のガーデニングABC
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  4. 第1回 いずれがアヤメかカキツバタ

■第1回 「いずれがアヤメかカキツバタ」(1/2)


 「いずれがアヤメかカキツバタ」というのは、美人のたとえとして昔から使われてきたことばで、アヤメとカキツバタが姉妹のように似た花で、甲乙つけがたいところから来いますが、やはり同じ仲間の花で目にする機会が多いのは、むしろハナショウブでしょうか。植物の呼び名も時代とともに、あるいは地方によっても変わりますから、歌などの中で「アヤメ」といわれているものが実はハナショウブであったりして、今でも一般には呼び名の混乱があります。
 
この3種の区別は詳しくは図鑑などを見ていただくとして、写真のようにアヤメは三方に垂れ下がっている大きな花びらのつけ根近くに、目立った網目模様があるのが著しい特徴です。
ノハナショウブ
【写真解説】ノハナショウブ(Iris ensata): 現在広く栽培されているハナショウブはこの植物をもとに、長い年月をかけて改良されたものです。野生の原種は和名を「ノハナショウブ」として区別されています。
アヤメ
【写真解説】アヤメ(Iris sanguinea): 高原などに多い植物で、全国あちこちに群生地があります。下垂する花びらのもとの方の網目模様はよく目立ち、「アヤメ」の名はこの模様を表わす「文目(あやめ)」に由来します。
また、カキツバタは葉が全体に平らなのに対して、ハナショウブは葉の中央部に太い一本の筋が通っていて、葉だけでも見分けがつきます。生えている場所も違い、カキツバタやハナショウブは水分の多い湿地などに育つのに対して、アヤメはもっと乾いた草原の植物です。
 
このようなことはいろんな園芸書にも書かれているのですが、これはあくまでも自生している植物についての話で、園芸の立場から見るとこれだけで花壇や庭に植わっているこの仲間を見分けることはできないのです。というのは、園芸植物として栽培されているものの多くは自生しているままの植物ではなく、その中から選び出された変わりものや、もっと積極的には人為的に改良されて、自生種とはかけ離れたものになっていること、また、世界中には同じような花を咲かせるたくさんの仲間があって、特に最近ではそのようなものが園芸植物として広く売られるようになっているからです。
ところで、この仲間の花は、ほかの花に比べてちょっと変わった立体的な作りになっていると思いませんか。たとえば、写真のアヤメの花を見てみると、垂れ下がった大きな花びらが3枚、それと交互の位 置にまっすぐ立ち上がった花びらが3枚、そして網目模様の上にかぶるように水平に広がった花びらが3枚あるのが分かります。実は本来の花びら、植物学的にいうと「花弁」は立ち上がっている3枚だけなのです。
Bloom Field
株式会社アイ・アンド・プラス Bloom Field事業部